こんにちは、湊かおりです。

ビジネスシーンで頻繁に直面する「見積書の作成」。
この作業、一見単純そうに見えて、実はかなりの時間と労力を要しますよね。

そこで、この記事では、見積書を作るプロンプトをご紹介します。
日々の業務の中で繰り返し作成する見積書を、もっと手軽に、そして効率的に作成する方法をお伝えしたいと思います。

さらに、業務効率化の一環として、Word文書を安定して出力するプロンプトの裏ワザも公開しちゃいます！
これらのテクニックを使えば、文書作成の時間を大幅に削減できるはずです。
効率的な文書作成法を知りたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

GPT-4の出力形式

GPT-4では、様々な形式でファイル出力ができるのはご存じですか？

基本的なスレッド上でのテキスト生成に加えて、

・画像ファイル(JPEG、PNG、GIF)
・CSVファイル (.csv)
・PDFファイル (.pdf)
・Wordドキュメント (.docx)
・PowerPointプレゼンテーション (.pptx)
・Excelスプレッドシート (.xlsx)

など、多くのファイル形式で出力が行えるんです。

出力形式の指定方法

出力形式を指定する方法はとても簡単です。
生成したいものに、

○○形式（.○○）で出力してください。

この1文を追加するだけです。

試しに、PowerPointのスライドを出力してみます。

▼GPT-4にカレーの作り方を出力してもらう
代替テキスト

▼出力されたスライド
代替テキスト

このように、ファイルの出力形式を指定することで、より一層、簡単に文書作成・資料作成ができるんです。

見積書を作るプロンプト

今回ご紹介するプロンプトはこちらです。

#実行命令
{pythonコード}は見積書をdocx形式で作成するコードです。
このコードを{見積書の内容}にしたがって適切に書き換え、
Word形式(.docx)で保存し、ファイルを出力してください。

見積書の内容="
見積事項：

見積提出者の会社情報：

"

pythonコード ="
from docx import Document
from docx.shared import Pt, Inches
from docx.enum.text import WD_ALIGN_PARAGRAPH
from datetime import datetime
from docx.oxml import OxmlElement
from docx.oxml.ns import qn

# Create a new Word document
doc = Document()

# Set document margins (1 inch all around)
for section in doc.sections:
section.top_margin = Inches(1)
section.bottom_margin = Inches(1)
section.left_margin = Inches(1)
section.right_margin = Inches(1)

# Title
doc.add_heading('見積書', level=1).alignment = WD_ALIGN_PARAGRAPH.CENTER

# Date
date_paragraph = doc.add_paragraph()
date_paragraph.alignment = WD_ALIGN_PARAGRAPH.RIGHT
date_run = date_paragraph.add_run('発行日: ' + datetime.now().strftime('%Y年%m月%d日'))
date_run.font.size = Pt(11)

# Addressee
client_paragraph = doc.add_paragraph()
client_run = client_paragraph.add_run('適切な会社名を設定してください　御中')
client_run.font.size = Pt(11)
client_run.font.underline = True

# Introductory text
intro_paragraph = doc.add_paragraph()
intro_run = intro_paragraph.add_run('下記の通りお見積り申し上げます。')
intro_run.font.size = Pt(11)

# Company information (right aligned)
company_info = "適切な会社情報を設定してください"
company_paragraph = doc.add_paragraph(company_info)
company_paragraph.alignment = WD_ALIGN_PARAGRAPH.RIGHT

# Add a table for the quotation items
table = doc.add_table(rows=1, cols=4)
table.style = 'Table Grid'

# Table headers with background color
hdr_cells = table.rows[0].cells
hdr_texts = ['品番・品名', '数量', '単価', '金額']
for cell, text in zip(hdr_cells, hdr_texts):
cell.text = text
cell.paragraphs[0].runs[0].font.bold = True
cell.paragraphs[0].runs[0].font.size = Pt(11)
# Set cell background color
shading_elm = OxmlElement('w:shd')
shading_elm.set(qn('w:fill'), 'D3D3D3')
cell._tc.get_or_add_tcPr().append(shading_elm)


# Quotation items
items = [
適切な請求内容を設定してください
]

total = sum(item[3] for item in items)
tax = total * 0.1
grand_total = total + tax

for name, qty, price, amount in items:
row_cells = table.add_row().cells
row_cells[0].text = name
row_cells[1].text = str(qty)
row_cells[2].text = "{:,}".format(price)
row_cells[3].text = "{:,}".format(amount)
for cell in row_cells:
cell.paragraphs[0].runs[0].font.size = Pt(11)

# Add total, tax, and grand total rows
for label, value in [("小計", total), ("消費税(10%)", tax), ("合計金額", grand_total)]:
row_cells = table.add_row().cells
row_cells[2].text = label
row_cells[3].text = "{:,}".format(int(value))
for cell in row_cells[2:]:
cell.paragraphs[0].runs[0].font.size = Pt(11)

# Save the document
file_path = "/mnt/data/見積書_クライアント名.docx"
doc.save(file_path)

file_path
"

#補足:
- 指示の復唱はしないてください。
- 自己評価はしないでください。
- 余計な前置き、結論やまとめは書かないください。

プロンプトの解説

このプロンプトでは、見積の内容を簡単に入力するだけで、安定したフォーマットで見積書のWord出力を行うことができるんです！

試しに変数を下記のように入力し、出力してみます。

見積書の内容="
見積事項：
田中太郎さんに
エアコン 50000円
取付工事費　5000円
下取りで8000円引き
会員割引10%

見積提出者の会社情報：
〒000-0000
東京都新宿区西新宿0-0-0
example株式会社
"

▼出力された見積書はこちらです。
代替テキスト

適当に入力した割引額もしっかりと計算されていますよね。

さらに、このプロンプトのすごいところは、何度出力してもフォーマットがブレないことです。

請求書は雛形をWordやExelで作成して、その内容を毎回書き換えて出力しているような職場も多いですよね。

そんな人たちも、このプロンプトで日々の業務がもっと楽にできるんです。

セルを移動したりカーソルを操作したりという操作は不要で、
変数に必要な情報を並べるだけで、正確な請求書が作れてしまいます。

うっかり関数を壊してしまい、怒られるといった心配もありません！

さらに、音声入力で変数情報を入力してしまえば、10秒ほどの作業時間で請求書ができてしまいます！

フォーマットが安定する理由

このプロンプトは、pythonコードを組み込むことで一貫した出力フォーマットを保っています。
このpythonコードに、文書の構成、文字の色、罫線の挿入などの指示が組み込まれているので、毎回同じ精度で請求書を作成することができるんです。

ここからは、pythonコードを組み込んだプロンプトの作成方法を紹介します。

コードが読めない人でも簡単！pythonを使ったプロンプトの作り方１.細かく指示するプロンプトを作る

まずは、自分が作りたい書類を作るプロンプトを、細かい指示を含んでGPT-4に投げます。
請求書のプロンプトは、元はこのように指示していました。

#実行命令
{見積書の内容}に基づき、
{見積書の書式要件}と{参考フォーマット}に従って見積書を作成し、
作成した見積書をWord形式(.docx)で保存し、ファイルを出力してください。

見積書の書式要件 ="
- 表は各セルに格子状の罫線を引き、明瞭に区切る
- 文書はマージン1インチ、フォントは11pt
- 金額は全て整数で表記
- タイトルは20ptに設定し、中央配置
- 宛先は左側配置で、下線を引く
- "下記の通りお見積り申し上げます。"は左側配置
- 見積提出者の会社情報は右側に配置
- 表のヘッダー部分のbackGroundColorは#d3d3d3
- 表のヘッダー部分は太文字
"

見積書の内容 ="

"

見積提出者の会社情報 = "

"

参考フォーマット ="
発行日: {本日の日付}
見積書
"{会社名}　御中"または"{個人名}　様"
下記の通りお見積り申し上げます。

{見積提出者の会社情報}

| 品番・品名 | 数量 | 単価 | 金額 |
| ---- | ---- | ---- | ---- |
| [品名1] | [数量] | [単価]| [金額] |
| [品名2] | [数量] | [単価]| [金額] |
[以下同様に続ける]
| | | 小計 |[金額の合計] |
| | | 消費税(10%) |[[金額の合計]*0.1]|
| | | 合計金額 |{{金額の合計}+{[金額の合計]*.1}}|
"

２.GPT-4にひたすら投げる

思い通りの出力がされるまで、先ほど作成したプロンプトをGPT-4にひたすら投げます。

現状のGPT-4のpythonコーディングは完璧ではないので、
上のプロンプトのように指示が多いと、指示を取りこぼしたり、
そもそもエラーで出力されなかったりということが頻繁に起こります。

根気強く、完璧な成果物が出来上がるまでがんばって投げ続けましょう。

このとき、Analyzingボタンを押して、pythonコードを開いておくようにしてください。

３.pythonコードをコピペする

指示通りの生成物ができたら、開いていたpythonコードを丸ごとコピーして、それをもとに新しくプロンプトを作ります。

#実行命令
{pythonコード}は○○をdocx形式で作成するコードです。
このコードを{変数A}にしたがって適切に書き換え、
Word形式(.docx)で保存し、ファイルを出力してください。

変数A ="

"
pythonコード ="
ここにコピーしたコードを丸ごと入れる
"

このように、プロンプトにpythonコードを入れると、ChatGPTは用意されたコードをなぞるように書類を生成します。

そのため、GPT-4のコードミスによるエラーや再出力はほとんど起こらなくなるんです。

狙い通りのフォーマットを保ちつつ、内容は適切に書き換えて出力してくれるとても便利なプロンプトが完成しますよ！

まとめ

このブログを通して、ChatGPTを使ってWord文書をはじめ、さまざまなファイル形式を安定して出力する方法をご紹介しました。

WordやExcelのファイルをChatGPTで自由自在に作成できるようになったらとても便利ですよね。

皆さんも、ルーティン化した書類作成の業務があったら、是非pythonコードを利用したプロンプトを作成し、業務を楽にしてみてください！

↓今回紹介したプロンプトはこちらからも利用できます。
https://exp-p.com/prompt/6169

湊かおり

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